かなりあ

スポンサー広告


スポンサーサイト

--.--.--  *Edit 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
*Edit TB(-) | CO(-) 

「君に届け 短編」
君に届け 短編 (現在~高校卒業前まで)


ハピバ!(君に届け 短編)

2009.05.15  *Edit 

風の誕生日なんで甘いのうP。でもハピバ関係なしw




-----1------

風早は目の前の光景を信じられない思いでみつめた。
竹馬の友の親友と 愛しい愛しい恋人が目を覆いたくなるほどに親しげに話をしていたからだ。
普段寡黙で無表情な龍の顔には見た事もないようなほんのりと嬉しげな笑顔が浮かんでいたし、愛しいあの子の輝くようなプリンセススマイルは自分でさえめったに見られない極上ものだった。
とたんに薄くなる酸素を感じて風早は深く息を吸った。
「…なんだよ…これっ」
風早は自分の心の中の声が外から聞こえたため驚いて反射的に振り向いた。
そこには怒りに燃える千鶴の姿があった。その瞳には迷子のような当惑が浮かんでいた。
あっけにとられて、一瞬次の行動を忘れた風早の側を荒々しく通り過ぎ、千鶴はぐいっと龍の手をつかんで歩き出した。
「千鶴…?」「千鶴ちゃん?」
あっけにとられる爽子にちらりとだけ眼を向けて少し哀しそうな顔をしたが何も言わずに千鶴は龍をずんずんとひっぱって行ってしまった。
あとに残された爽子はそれを呆然と見送った。

…あーなんかどっかで見た光景。
あんときは俺が黒沼をひっぱってったんだけど。

風早は一瞬焦燥を忘れて、あの片思いにじりじりと焦がされていた日々を懐かしく思い出した。

が次の瞬間、何が起こったのかを思い出し慌てて爽子の側によって声をかけた。
「あれ、風早君?あ、今ね真田君と」

風早は爽子の言葉を遮って急いで聞いた。
「龍と何の話をしてたの?」
黒沼は俺の彼女なのに、なんであんな輝く笑顔を見せちゃうの?という言葉をかろうじて飲み込んで、そして強張りそうな顔にむりやり笑顔を貼り付けて爽子に聞いた。
爽子は少し戸惑い、そして頬を赤らめた。
いよいよ焦燥感が募った時爽子が答えた。
「あ、あの、千鶴ちゃんの…こと。」

「…吉田の事ぉ?」

爽子はこくんと頷くと楽しそうに話はじめた。

あのね、昨日千鶴ちゃんと一緒に帰ったの
そしたらね、公園でちっちゃい男の子が何人かのおっきい男の子に泣かされてたの。
どうしよって思った瞬間に千鶴ちゃんがぴゅーっと飛んでってね
「こらっ 何大勢で一人苛めてんだ!」
って。
「関係ないだろババァ」とか、「うぜー」とかひどいこと言う子もいたのに、千鶴ちゃんはぜんぜんひるまなかったよ!
ごつんってその子たちの頭にげんこつ落としてね
「うるさい!」って一言でみんな黙っちゃったの。
そしてね
「関係あってもなくても、大勢で一人苛めるみたいなかっこ悪いまね見過ごせるか。悔しかったらかっこよくなってきな!」
って。

その場面を偶然龍に見られて、詳細を聞かれたのだという。
「千鶴ちゃんはほんと、すごい。優しくて強いの!」

あー…なるほど、それで龍もあの笑顔なのか。

風早は好きな子が褒められて嬉しさを隠し切れない龍を微笑ましく思った。

爽子は嬉しそうに誇らしげに話しを続けた。
「すごく、すごくかっこよかった!すごいね、あんなに素敵な人が私の友達、なんだね!」
風早は友達の美点を嬉しそうに話すことができる爽子の純粋さを愛おしく思い、眩しそうに爽子をみつめた。

「…でね、この前もね千鶴ちゃんは…」
爽子は嬉しそうに千鶴がこんなに素敵なんだという話を続けた。
最初はニコニコと聞いていた風早だったが、次第になんだか面白くなくなってきた。

確かに君は吉田を相当好きなんだろうな。
そんな事最初からわかってるけどさ。…そんなキラキラの極上笑顔でおれのことも話してくれてるのかな。
…君の親友にまで妬くだなんて行き過ぎなのはわかってるけど。

風早が少ししょんぼりしたのを見た爽子は訳がわからないながらもどうしようと考え込んだ。
そしてふ、と思いついたように鞄をがさごそと探ると小さな包み紙を取り出しそれを剥いた。
爽子の白い指が桃色の丸い小さな飴を取り出した。
爽子はにこっと笑って風早にそれを差し出した。
「真田君にもらったの。風早君にもおすそわけ。」
風早は思わず爽子の笑顔を息を止めてみつめてしまった。

可愛すぎる…

風早の視線に 爽子ははっと気付いて言った。
「あ、私が持ったんじゃ嫌だよね。待ってて今新しいの出すから…!」
そして自分の持っている飴を困ったように見て、自分の口に放り込んだ。
爽子が鞄を探る前に風早の手が爽子を止めた。
爽子が見上げる視線ににっと笑って、風早は言った。
「それでいいよ。」
「え…あ、んぅ…!」
爽子の口の中にあった甘い桃色のキャンディはコロコロと風早の口の中にうつされる。
風早の口の中にいちごミルクの甘い味が広がった。
白い頬を桃色に染めた爽子をそっと離すと風早も赤くなって呟いた。
「おすそわけ、ありがと…。」
「う、うん…」
しばらく二人は赤くなって黙り込んだ。
何度か経験した行為ではあったがやっぱり心臓が飛び出しそうに跳ね上がる。
跳ね続ける心臓と共に蕩ける幸福感に浸っていた風早は、爽子が消え入りそうに呟く声でもう一度心臓が止まりそうになった。
「おすそわけ…のおすそわけ…ほしいな。」
風早は聞き間違いかと思って爽子の顔をマジマジと見た。
爽子はその視線にばばばっと顔中を真っ赤に染めて俯いた。
「ご、ごめんなさい、今のは忘れ…」
風早は慌てた彼女が取り消す前に急いでその唇を塞いだ。

キャンディなんかよりもっとずっとずっと甘い…。

風早はうっとりと爽子の唇を味わった。

「おれにも、もっかいわけて…?いい?」
爽子がかすかに頷いた瞬間に風早はもう一度己の唇を彼女の桃色の柔らかい唇に重ねた。

そしてそのまま「おすそわけ」の分けあいは二人の口の中がすっかりいちごミルクの味で染まってしまうまで続いたのだった。

さて、この甘バカップルがいちゃついてる間に友達以上と恋人未満の日付変更線をうろうろといったりきたりしているもう一組のカップルにもちょっとした進展があったのだが、それはまた別のお話。
(おしまい)



スポンサーサイト


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
*Edit TB(0) | CO(0)

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


⇒ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 ◆Home  ◆Novel List  ◆All   ◆通常ブログ画面  ▲PageTop 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。