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「18禁:君に届け 再会シリーズ」
18禁:君に届け 再会シリーズ1 夜雨


夜雨3(君に届け 再会シリーズ)

2009.05.14  *Edit 

どんどんキャラ崩壊 さわやかぜはやが好きな人は見ないこと推奨


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風早のアパートにつくころには体中氷みたいになっていた爽子を強引にバスルームに放り込むと風早は外から声をかけた。
「なんか着替え探しとくから、あったまるまでシャワーしててよ。タオルは洗面台の下にあるから。」
爽子の遠慮を遮って風早は続けた。
「あのさ、黒沼がもし全く知らない人だったとしても俺は同じ事してたと思うよ。ましてや知り合い…なんだから。黒沼だってもし遭難しそうな人見かけたら同じことするだろ?」
少しの沈黙の後、小さな、ごめんなさいとありがとうという声がかえってきた。
そしてシャワーの音が聞こえ始めた事に風早は安堵してクローゼットから古いトレーナーとジャージを引っ張り出した。
バスタオルと共にそれを扉の隙間からバスルームに差し入れるとお湯をわかしながら自分も着替えた。

しばらくすると濡れ髪をまとめた爽子がおずおずと風早のトレーナーとジャージを着て申し訳なさそうに小さくなって出てきた。
「ほんと、ごめんなさい。こんなに迷惑をかけてしまって」
「気にしないでよ。俺がそうしたいからしてんだし。…それよりさ。」
風早はぷっと噴き出した。
「あはは黒沼そうしてるとあんま変わってないな!吉田にジャージ借りた時とおんなじ顔してる。」
風早が笑ってくれたことで爽子も安心したのかふんわりと笑った。
「そういえばあの時とおんなじだね。」
爽子はほんのり眼を伏せて過ぎ去りし日々を思い出した。
風早があけてくれた扉から爽子の閉じられた世界は音を立てて広がった。
はじめて大好きな友達ができて、心に触れて触れられる喜びを知った。
そして 嵐のようなはじめての、恋。
空すら飛べそうな幸福も 体中の水分が涙になってしまいそうな哀しみもすべてあった。
でもその哀しみすら宝石のように爽子の中で輝いていた。

爽子はくすっと笑いながら言った。
「変わってない…かなあ。少しは大人になった気になってたんだけど。」
「うん、最初びびった。あんまり」
綺麗になってたから、といいかけて風早は口を噤んだ。
「?」
「…あんまりずぶぬれだったから。」
こ、怖がらせてしまった…!とショックをうける爽子に風早は、笑いながら「ごめん、冗談!」とごまかした。
爽子は釣られてふふっと笑った。
「…お茶入れるから、座って。」
「えっいいよ!今タクシー呼んで帰るから!あっ服はハンカチと一緒に送るね。」
「まだ顔色悪いよ。いいから、座って。」
相変わらずの優しい強引さに爽子も腰を下ろした。
風早はグラスにウィスキーを注ぐとお湯を足した。そして角砂糖をぽんと放り込んで軽くかき回した。
「あの、これお茶じゃないんじゃ…。」
「これのが身体あったまるだろ。ハイ、飲んで。」
薦められるままこくっと一口飲むと確かに冷えた身体にほわりと温かさが広がる。
シャワーを浴びて温まったと思っていたが、まだ芯のほうが冷えていた事がそれでわかった。

(変わらないな、風早君。強引だけど、優しい。)
爽子はこくこくとホットウィスキーを少しずつ飲みながら思った。
いつでも風早の豊かな優しさは人の為にばかりあった。
…別れる時ですらそうだった。

『黒沼が今みたいな顔でしか笑えないなら、意味がない。哀しませたくて、付き合ったんじゃない。』
触れ合う肌が温かさを伝え合わなくなって、好きなのに、会うのすら辛くて、引き裂かれそうな痛みにあげる声なき悲鳴に風早は気が付いていた。
そして風早は爽子の手を離した。
餓える風早を、満たす何をも持たない爽子は辛さとそして確かにあった安堵の中それを受け入れた。

爽子は切ない痛みをウィスキーとともに飲み下した。
そしてなんとはなしに風早の部屋を見回した。
男の一人暮らしにしてはこざっぱりと片付いていて、そこかしこに風早の趣味とは思えない可愛らしい色の小物がおいてある。
爽子は同じようにウィスキーを口にする風早をちらりと見た。
爽子にはほんの少し色づけ程度に注いだウィスキーを風早はグラスになみなみと注ぎ、顔色も変えずに飲んでいる。
-時が経ったんだなあ。

少年らしい面影を残しながらも、無骨な雰囲気が彼を大人にしたことを示していた。
あの頃ですら少女達の心を惹きつけてやまなかった彼だ。周りが放っておくはずもない。
そう思った爽子はその問いの残酷さに気付かず、無邪気に訊いた。
「つきあってる人がいるの?」
風早はちらりと爽子に眼を向けると、まるで興味なさそうに無造作に言った。
「…今はいないよ。つきあったひとはいたけどね。」

つきあうたびに、『また違った』と俺の中で呟く死体が消えないからね。

風早の内心の昏い呟きを聞く事もなく、爽子は桜のように微笑んだ。
その微笑に息を飲んで見惚れた自分と、微笑む事のできる爽子との距離に苛立って風早は若干強い口調で言った。
「何かおかしい?」
風早の語調に爽子は慌てて否定した。
「おかしくて笑ったんじゃないよ!」
綺麗に洗練された外見から昔の素の爽子が顔を出す。
風早は唇を噛んでふいっと眼を逸らした。
風早の態度に少し傷つきながらも爽子はそれでも微笑んだ。
「…私は弱くて、進みだすまで大分かかったから…。…よかった。」
風早はその言葉に無数の針が心を突き刺していくのを覚えた。
爽子の中で自分は過去の傷 自分の中では今も血を流し続ける傷なのだと思い知らされる。

風早にはその距離が苦しかった。
沈黙が狭い部屋に満ちていく。
雨音だけがやたら響いた。
風早は無理矢理笑みを作った。
「少しは、あったまった?」
「う、うん」
「やっぱ、帰ったほうがいいね。タクシー、よぶ…」
言いかけた風早の眼の端がきらりと光る何かをとらえた。
無意識のうちにそれが何かを確認して風早は息を詰まらせた。
握りしめた爽子の左手、その薬指にそれは光っていた。
白くほっそりとした爽子の指のたおやかな魅力を引き立たせるような華奢で上品な銀色の指輪。
「…指輪。」
呆然と呟いた風早の声にはっと爽子は指輪に触れて恥ずかしそうに頬を赤らめ俯いた。
そして少し困ったように微笑んだ。
そのはにかんだ微笑はかつて自分のものだった。
自分だけのものだったのに。

もう永遠に手が届かない。
二度と、二度と、二度と!

風早の中で昏い眼をした死体がぞろりと動いた。

雨音だけがやたらうるさく響く。
―閉じ込めてしまえと うるさく騒ぐ。

「…雨なんか、やまなきゃいいんだ。」

「-え?」
一度目は雨に消えた呟きは、二度目は病んだ熱をもって爽子の耳に届く。

二人で永遠に雨の中に閉じ込められてしまえば良いのに。そう思いながら風は爽子の細い手を握った。
「か…ぜはやくん?」

風早の眼には冷たい憎しみが浮かんでいた。

大切な、大切な、ひとだった。
世界中が壊れたとしても守りたいひとだった。
心が血まみれになったけれど、己の心のその悲痛な叫びに耳を塞いで手を離した。
激しすぎる自分の感情がこの愛しいひとを壊してしまう前に。

でもその滾る愛しさがそっくりそのまま昏い憎しみへと反転した。
銀色の約束の印を見た瞬間に。

俺の恋心を喰らい尽くしておいて、自分だけ前に進んで誰かと手をつないでいるだなんて、許せない。憎くて愛しくて憎い。すべて壊れろ、この世界ごと。

風早は爽子の華奢な体を乱暴に押し倒した。
「やっ…酔ってるの…!?」
「酔ってないよ。黒沼と別れてからずっと酔えなくなった。」
悪い冗談だと思いたい爽子の希望は風早の闇に侵された眼の昏さにつぶされた。
「は、なして!」
爽子の儚い抵抗はねじ伏せられ、悲痛な声は熱をもった唇に塞がれて飲み込まれる。
冷たく激しい雨に風早の熱い息も、爽子の絶望もかき消されていった。

(続く)

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ようこそ~! 

はじめましてvUさま

夏もエロ風 やわらか~ハードまで全部好きです。言い切りますとも!
ピュアなのにエロイ風爽カポーが大好きです
再会シリーズは構想はできてるんですが 後半では風は鬼畜へたれ(何それw)
続編では爽子も崩壊でどうしようかとw
でもまた来て下さい

 

まさか日向夏さんの再会モノが読めるなんて!
秘書爽なんかエロい!
付いてる人ってなんだ!誰だ!

続きが今か今かと待ちきれなくて何回も来てしまいます(´∀`)

ふふふ 

いらっしゃいませ
秘書爽子エロイですか。エロイですよね。
結い上げた髪と白いうなじできりっと働く爽子
持ち前の整理能力と気配りと責任感で仕事きりきりこなす爽子
でも優しい笑顔も健在な爽子

そら空席になるわけないだろと思うのです。

付いてる人は内緒です。でも更新つまり気味 だって見切り発車だったもん!(いばるな)

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