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「18禁:君に届け 再会シリーズ」
18禁:君に届け 再会シリーズ1 夜雨


夜雨1(君に届け 再会シリーズ)

2009.05.14  *Edit 

再会もの 後半に行くにつれキャラ暴走。ついてこれる仔猫ちゃんだけ読んで。
今のトコ エロ描写ないんで パスかけないよ 後半はかける。


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ざあざあと振る雨を風早は溜息をついて見上げた。
自分のひとりぐらしのアパートまではそんなに距離がないから走ってもいいのだが。
風早は雨宿りしている軒下から少し手を出してみた。
触れる雫は霙交じりの冷たいものだった。
夕方から雪がこの雨に代わった。ほんの少し濡れた肩や背中からもゾクゾクと寒気が襲ってくる。身体の芯から凍らせてしまいそうなこの氷雨の中に身をさらしたくはなかった。
「参ったな…」
そう呟くと同時に彼の横に影が飛び込んでくる。
ほんの短い距離濡れた自分とは違い全身泳いできたようにずぶぬれだ。
よく見れば妙齢の女性で高そうなスーツがかわいそうなほどに色を変えていた。
きちっと纏め上げられた黒髪もしとどに濡れ、水滴が滴ってる。
風早はポケットからハンカチを出しその女性に差し出した。

「はい。少し濡れてるけど、ないよりましじゃないかな。」
その声に振り向いた女性に風早も、そして彼女も言葉を失った。
「…黒沼。」
「風早君!?」

黒沼 爽子。
それははるか昔に過ぎ去った高校時代に激しい恋に身を焦がした相手だった。
思いが通じた時は嬉しくて嬉しくてこの人以外はなにも要らないとさえ思った。
触れ合う吐息も肌も溶け合えば幸せでこの世に二人だけになれればいいと願いながらこの華奢な体をかき抱いた。
やがてその激しさは二人を焦がし始めやがて焼き尽くした。
ゆっくりと愛を大切に育む爽子に対し、風早は彼女の欠片さえ逃そうとせず喰らい尽くそうとした。
『風早君のほしいものを私はあげられない。』
どんな束縛よりも嫉妬よりもそれが辛いのだと爽子は泣いた。
その涙を止める手を風早は持たなかった。
柔らかな恋は握りつぶしてはいけないのだと、幼すぎる自分は気付かなかった。
気が付いたときにはひよこよりも柔らかな純粋な恋は命を失っていた。
彼女の笑みが常に澄んだ哀しみを内包しているのに気が付いたとき、風早は自分からその手を離した。大切なひとまで壊す前に。

のたうちまわって、涙がなくなるまでこっそり泣いて、そしてその想いを埋葬した。
風早はその時の痛みを鈍く思い出し、苦く笑った。
「-久しぶり。びっくりした。とりあえず拭きなよ。」
差し出されたハンカチをありがとうと受け取って爽子は身体や髪を拭いた。
「洗って返すから連絡先教えてくれる?…あっ嫌じゃなかったらだけど!」
相変わらず律儀な爽子に風早は、ははっと笑った。
「そういうとこ、かわんないなー。ハンカチなんていいよ。」
どうせ名前も忘れてしまったような女からもらったもんだ。
風早は自嘲的に心の中で呟いた。

爽子と別れてから誰とも付き合わなかったわけではない。爽子との嵐のような恋愛に疲れた風早はそれでも立ち上がるため恋をしようと思った。だからといっていい加減な気持ちで付き合ったわけではなかった。最初は一途に風早に想いを向けてくる女性達の心に答えようと真摯に向き合ったのだ。
付き合った女性たちの柔らかな肌や熱い吐息はその時は確かに心を満たしてくれた。

けれど。

いつでも心の底に死んだように重い何かがうずくまっていた。
風早がその存在に気が付くとそれは昏い眼で風早に囁いた。

『今度の女はどれだけ爽子に似ている?』
それに気が付いてから 風早は誰と付き合うのもやめてしまった。

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