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金色のガッシュ


流星(金色のガッシュ)

2009.04.07  *Edit 

金色のガッシュより デュフォ×鈴芽 捏造カプ

ガッシュは終ってもいつまでも好きです。
あんな熱い漫画そうそうないよ!
赤本コンビは永遠に親友(でも書くのはカプ物が多いけどね)

続きを読むからどぞ



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星が一つ流れた。

オレはたぶん今流れた星だけではなく、この視界に映る夜空の星の名前をすべて知っている。

それでも今隣で泣いてるこの頭の悪い女が泣いてるのを止めることもできないんだ。



「だから、オレのアドバイスに従えばよかったんだ。本当に頭が悪いなおまえは。」

女は泣きじゃくりながらたどたどしく言う。

「でも…ひっぃっく…そんな事できないよ…」

こんなに声を殺して泣くくらいなら、オレのアドバイスを素直に聞けばよかったんだ。

恋愛だってこの世界に凡百とある事象の一つにすぎない。

アンサートーカーたるオレの力を持ってすればこいつが好きな男の心を掴むことは十分にできたはずだ。

だいたいそもそもあいつはこの女を大切には思っていたんだからな。

しかしその感情はたまたま恋情というカテゴリーに入っていなかった。

それだけの事だったんだ。

「さほど難しい行動を示唆した覚えはない。お前の能力で十分実現可能な方法だったはずだ。」

「でも…しちゃいけないんだよそんなこと」

ああ、苛々する。目的の為に示してやった道も通らずにBUTを繰り返すなんて、なんて頭の悪い行動なんだ。

「…高嶺君…泣いてるみたいな気がしたんだもん…。」



まただ。

オレはこの女に対してるといつも混乱に対峙する。

どうしてここでその台詞が出るんだ?

実際泣いてるのはお前じゃないか。



オレには人が人に対して執着する気持ちが良くわからない。

事象としては理解しても感覚としてわからない。

オレが執着したものはことごとく奪われた。

世界は常にオレから何か吸い上げるものがないかと狙っていた。

だから執着する事などとうの昔にやめてしまった。



でも執着というものが耐えがたく人を苦しめる事は知っている。

この女はあいつが周囲の嫉妬で孤独を強いられた時代のその前からずっとしつこくあいつを想っていた。

そのしつこさに呆れたのと同時に興味を引かれ、願いを適えてやろうとしたのに。

隣で独り言めいた呟きが聞こえた。

「ずっと、高嶺君の【彼女】になりたかったのになぁ。…でも隣に立つのは私じゃないんだなぁ。」

ああ、本当に苛々する。

大概の人類はオレより頭が悪いが、この女は特別だ。



「それは当たり前だろう。どの視点から見てもお前が勝てるわけない相手だ。」

外見にせよ、内面にせよ基本条件が違いすぎる。その性能差はジェット機とラジコンくらいあるだろう。

隣の泣き顔がふにゃんと奇妙な笑い顔をまじえたものになる。

「わかってるもん。花みたいに綺麗で、なのに優しくて、棘のない薔薇みたいだもん…。私だって好きだもん。でもずっと高嶺君が好きだったんだもん。」

「だから、オレの言うとおりにすれば良いと言ったろう。…手伝うなんてオレも馬鹿な真似をしたな。」

苛立ち紛れに吐き捨てるとか細い反論が返ってきた。

「でも…、手伝ってくれたの、嬉しかったよ。絶対だめだぁって思ってたときも大丈夫って言ってくれて嬉しかったよ。」

別に励ましたわけじゃない。あいつの中でこいつを「大切な存在」から「大切な異性」に変えることは可能だと思ったからその事実を伝えただけだ。



まあ恋愛感情というものは計算どおりにいかないものの代表で、あいつの中では既に別の人間が住んでいた。それを動かすのは確かに難しいとは思ったが数あるマイナス因子にひとつ加わったに過ぎないと思っていた。

でもこの女の言う事は軽くオレの理解の範疇を超えていた。

この女の存在をあいつの中で「特別な異性」に変えるべく奮闘していた真っ最中に

この女はあいつの恋愛の助けをしてやれと言い出したのだ。



あいつは想い人と想い合いながらもささいなことですれ違っていた。

会えない時間が長すぎて、育ちかけた小さな花がそのまま枯れてしまいそうになっていた。

『会わせてあげられないかな』

この女がそう言い出したとき、オレはそれがどういう結果をもたらすかあますところなく詳細に説明した。

それは膨れきった風船に針を刺すのと同等の行為だと。

膨れきった想いが弾けてそして当然のごとくそれは実るだろうと。

そしてこいつの希望は変わらなかった。

『だって、とても辛いよ好きな人と会えなかったら』



まるで説得力の皆無なその台詞がすべての答えであるかのようにこの女はそう言った。

なのにまるで説得力皆無なその台詞にオレはどうしても抗う気になれなかった。



そしてすべては水が下に流れる如く進んだ。

萎れかけていた花は生気を取り戻し、そしてそれは揺るがぬものとなった。



そうして、この女はオレなんかの隣で泣く羽目になったんだ。

「声を殺して泣くのはお前の泣き方じゃないだろう。何故そんな不自然な真似をするんだ」

お前の嘆きを聞く者はこの星々しかいないのに。

「だって、泣くなって…」

「泣くななんて言ってない。泣いても意味がないと言っただけだ。ちなみに意味がないのは現状の打破に対してであって お前のストレス軽減に無意味なわけじゃない。」

きょとんとした顔で女の大きな眼がオレを見た。

「…だから 泣きたいだけ泣けば良い。どうせ現状は変わらないんだ、ストレスくらい減らしておけ。」

女の顔がくしゃりと泣きながら笑みを作った。

「優しいね。」

オレはまた混乱に対峙した。

東洋人特有のそのアーモンド形の瞳、

どこにでもありふれたその瞳がふわりとほそまるその様に

オレの心が動く音がした。



オレは基本的には人の美醜の見分けがつかない。

形の認識はもちろんできるが、それによって心を動かされたという経験がない。

オレが唯一美しいと感じたのは憎悪と絶望の吹雪の中降り立った銀色の炎だけだった。

彼は憎悪と絶望と搾取しかない腐った世界を、燃やし尽くしてくれる気がした。



その激しさも荘厳さも持たない、この平凡で地味な女の泣き笑いを

何故かオレは



美しいと思ったんだ。



女は一旦息を吸い込むと、思い切り赤ん坊のように泣き出した。

「う…ぇええええんー」

オレの混乱は続いている。

だから多少言動に混乱が現れてもおかしなことはない。

オレの左手が女の頭の上におかれてるのもその混乱の現われだ。

力任せに撫でると壊れそうな気がしたから、そっとおいた。

少し女の頭が動いた気がしたが、泣き声は途切れなかったから気にしないことにした。



やがて泣き声が止まりゆっくりと女が空を見上げた。

随分と鼻声だったが、さっきとくらべると幾分か明るい声で言った。

「あの二つ並んだ星、仲良さそうー。あんなふうに並べる人といつか出会えるかなあ。」

「気が遠くなるくらい頭が悪いな、お前は。星と星の間が実際はどれだけあると思ってるんだ。」

本当に衝撃を受けたという顔が面白い。オレはもう一度ぽんと女の頭を軽く叩いた。

「もし、お前がその誰かと出会えたら、作ってやろう。」

「え?何を?」

「宇宙船。それで隣の星まで行ける。」

少しの間の後、女は嬉しそうに笑った。

「わーありがとう。それなら大丈夫だね。」

当たり前だ。オレが助けてやるんだから。

この女の惚れた男がたとえ世界一大きい国の国家元首だったとしても、必ず届くようなロケットを作ってやる。

オレはこの途方もなく呆けた女の短い黒髪をもう一度くしゃりと撫でてそう決めた。



おわり

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