かなりあ

スポンサー広告


スポンサーサイト

--.--.--  *Edit 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
*Edit TB(-) | CO(-) 

「君に届け 短編」
君に届け 短編 (現在~高校卒業前まで)


きんぎんか(君に届け SS)

2010.06.29  *Edit 

前に載せたスイカズラと対になるお話。
-1-

「この前の花と同じにおいがする。」

少し不思議そうな顔で無骨な手が金色の花を摘んだ。
はにかんだ唇が答えた。

「だって同じ花だもの」
「…え、だってこの前は白かったよ。」

もっと不思議加減を増した顔に白く繊細な顔がすこうし微笑んだ。

「スイカズラはね、色を変えるの。白から、黄色に。…だから「きんぎんか」とも呼ぶんだよ。」

どこか音色のようなウィスパーボイスに男の頬が染まった。
そして詰めていた息の行き場を探すように制服のネクタイをゆるめた。
それに気づかず透明なウィスパーボイスは歌うように話を続けた。

「銀色から金色に染まるから、きんぎんかというの。」
「…不思議な花だね。」

昼には慎ましやかな可憐な風情で佇んでいるのに夜にはその官能的な香を強く漂わせる。
そしてその蜜は甘く甘く…
そしてゆっくりとその可憐な姿を蜂蜜色に染めていく。

「私ね、この花が金色に染まるわけ、知ってるよ。」
男の述懐を破ってふふっと小さな唇が笑った。

「…え?」

白い指がそっと金色の花びらにふれた。

「おひさまの、色がとけていくの。白い花びらに。」

男の喉がこくっとなった。

「ー童話みたいだね」

その言葉にはにかんだような笑みが答えた。

童話みたいとあなたは言うけれど。

白い頬が桃色にほんのり染まり、ちらりと隣を見上げた。
無骨な手がその花にそっと触れていた。

その手で満たされて、乱されて、そしておひさまの金色に侵されたんだよ。

「ん?どうしたの?」
「ふふ、なんでもないよ。」

きんぎんかがしゃらりと揺れた。
(終わり)

スポンサーサイト


にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村
*Edit TB(0) | CO(0)

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


⇒ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 ◆Home  ◆Novel List  ◆All   ◆通常ブログ画面  ▲PageTop 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。