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「君に届け 短編」
君に届け 短編 (現在~高校卒業前まで)


さわたん!(君に届け 短編)

2010.01.04  *Edit 

いまさらですが 爽子ハピバ!2009年も愛してた 2010年も愛してる

-1-
風早と爽子は珍しく、本当に珍しく喧嘩をした。
喧嘩と言っても単に互いが互いの主張を譲らなかったために
軽く言い争いになったというだけにすぎないのだけど。
事の発端は爽子の誕生日。
今年はカップルになって初めての二年参りとあって爽子も自分なりに気合いを入れて準備した。
親友たちに買い物につきあってもらい用意した可愛いニットワンピを着ると
華奢でほっそりした爽子の可憐さが際だった。
あやねに教えてもらったナチュラルメイクをがんばって行い、
鏡でその出来をチェックする。
そのとき爽子は嬉しそうにすっきりとあいた胸元を飾るペンダントにふれた。
桜の花びらをかたどった春の匂いのするペンダント。
これは風早のクリスマスのプレゼントだった。

二人は爽子の誕生日という事で
少し早めに待ち合わせをしてファミレスでお茶を飲むことにした。

コートを脱いだ爽子の可憐な姿に少し赤くなった風早は
胸元のペンダントに気づくと嬉しそうに微笑んだ。
「…うん。可愛い。似合う。」
爽子も赤くなって微笑んだ。
「あ、ありがと…」
外気の寒さにも関わらず、二人の周辺はまるで春のようにぽかぽかと暖かかった。

「あっ…そうだ。黒沼。誕生日おめでとう!」
「…ありがとう…!」
にこっと嬉しそうに答えた爽子に風早は少し恥ずかしそうにカードを渡した。
そのメッセージカードには風早の字で誕生日を祝う言葉が書いてあり、一枚の紙が挟まっていた。
折り畳まれたそれを開いてみると
「プレゼント予約券(1ヶ月以内には必ず!)」
と書いてあった。
爽子の不思議そうな顔に風早はさらに赤くなって説明を始めた。

「ごめん。情けないけどちょっと金欠で…。
でももうちょっと待ってくれたらこの前した短期のバイトのお金入るから…」
その言葉が二人のきわめて珍しい言い争いの発端となった。
風早の顔を少し見てから、ハッとしたように爽子は慌てて言った。
「もっもらえないよっ!クリスマスにももらったのに!」
風早はくすっと笑うと言った。
「だってクリスマスはクリスマスじゃん。
神様の誕生日なんかより黒沼の誕生日のがよっぽど大切だよ俺。」
風早のストレートな物言いに爽子はかぁああっと赤くなったが、
ここでこの笑顔に言いくるめられてはならないと爽子もがんばった。
「じゃ、じゃあ このペンダントは誕生日のプレゼントということで」
「だめ!これはクリスマスのプレゼント!だって黒沼もくれたじゃん!
あったかーいこのマフラー。
すごく嬉しくてあったかくて。俺毎晩これつけて寝てるんだからね!」
「いや、それは首が締まって危ないので、やめたほうが…。」
そんな会話を繰り返し、絶対あげると主張する風早ともらえないと主張する爽子は
両方とも譲ろうともせず
そろそろ時間ということでファミレスをでた後もその言い争いは続いた。
「とにかく!クリスマスプレゼントはクリスマスプレゼント!
バースデイプレゼンとはバースデイプレゼント!
黒沼がなんと言ったって俺は渡すから!」
少し前を歩きながら、少しむくれたように言う風早に爽子が素朴な疑問をぶつけた。
「えっえっと…なんでそこまでこだわるの?」
振り返った風早は爽子のきょとんとした目に赤くなって、心の中で呟いた。

だって知らない。
黒沼は俺がどれだけ黒沼になにかしてあげるのが好きか。
「ありがとう」
って花が咲くみたいな、その周りだけ木漏れ日色に色づくような笑顔をみるたびに 
どれだけ天に舞うような気持ちになるか

そんな大事な機会を奪われてなるもんか

風早は赤くなった顔をごまかすように爽子特製のマフラーに顔をうずめた。

「…っとにかく、神様の誕生日と黒沼の誕生日一緒にお祝いするなんてだめ!
なんか悔しい!」
「あ、じゃ、じゃあ私、今年は風早君の誕生日になにもできなかったから、
それでおあいこってことで」
「じゃあ、今もらうから!」
え?と疑問符を口にする前に風早の力強い腕に爽子の手がひかれ、
あっと言うまに爽子の唇は風早のそれにふさがれた。

甘い甘い口づけがおわり、そっと真っ赤な顔で風早が呟く。
「…プ、プレゼント ありがと…お返し、させてくれるよね。」

真っ赤な顔で爽子は仕方なく白旗をあげた。

ずるい。風早君の優しいわがままはいつも優しすぎてずるい。
なんなく 私を負かしてしまう。

爽子は火照った顔をさますように空に目を向けた。
ちらほらと落ちてくる白い雪に気がついた爽子は思いついたようににこりと笑った。

「あの、じゃあ…ほしいもの、お願いしても…いいかなあ。」
「ほ、ほしいもの?ははっ 黒沼のおねだりなんて初めて聞いた!」
いいよ、何でも言って。あっ無理なものは無理だけど、なんとかなるものなら何でも

そう嬉しそうに言う風早に爽子はそっと耳打ちした。
それを聞いたとたん
風早は赤くなってしゃがみこんで恨みがましく爽子をみあげた。

「ずり~…」
爽子はうふふ、とほんのり微笑んだ。

そしてあけて 元旦お正月
昼ご飯も終わりさすがにミス働き者の爽子もまったりと
リビングでお正月気分を味わっているとチャイムがなった。
「はーい」
「あ、爽子はいいよ、休んでなさい。昨日遅かったんだろ。」
と爽子がでる前に爽子の父が席をたった。
数秒後、蒼い顔をした父がふらふらとリビングに爽子を呼びにきた。
「爽子、お、男の子がきたけど。風早君という子なんだけど、心当たりは」
かなりとんちんかんな父の問いかけに爽子はバカ正直に真っ赤になった。
そして玄関にあわてて駆けつけた。
リビングでは父が灰になるのを母は楽しそうにみていた。

「風早くん!どうしたの!?」
風早の真っ赤な鼻と耳が長時間 寒気にさらされたことを示していた。
「…一日遅れだけど、誕生日おめでと!」

あ、だいすき…だなあ、この笑顔。

「…ありがとう…!」

爽子は知らず微笑みを浮かべた。
風早はこくっと喉をならし、寒さのせいばかりではなく頬を赤らめた。
「く、くろぬ、ま。」
風早が思わず一歩進もうとしたところで じっとりした視線を感じ
そちらに目をむけると 爽子の父がじっと二人をみていた。
「あっあの こんにちは!今日は黒沼…さんに届け物があって…その…」
風早は意を決したように爽子の父の顔を見た。
「…今度改めて挨拶にきます!あっ 黒沼これ!約束の。」
と 風早は小さなクーラーボックスを手渡した。
そして爽子の耳にだけ聞こえるようにひそっと小さな声で言った。

「絶対部屋に飾って。冷凍庫なんかにしまっちゃだめだよ?」

爽子が赤くなって見返すと風早はにっと笑った。
「じゃ、また!」

風早の残した風が爽子の父に嵐を巻き起こしたことは言うまでもない。

「さささささわ、今のかじぇはやくんとはどんな」
「まーまーおとうさん、今度挨拶にくるって言ってるんだからそれを待ちましょうよ」
あわあわいってる父をリビングにひっぱりながら母は意味深に爽子にウィンクした。

部屋にもちかえり、クーラーボックスをあけてみると中に小さな雪だるまがはいっていた。

「雪だるまがほしいな。手のひらにのるくらいちいさいの。」


あのとき風早の耳にそう囁いた。
まさかすぐ作って持ってきてくれるとは思わなかったけれど。

爽子は発泡スチロール製のクーラーボックスから風早にどこかにている小さな雪だるまを取り出し微笑んだ。
そして少し赤くなりながら雪だるまの小さな小枝で作られた口にかるく口づけた。

本当は冷凍庫にいれて保存しておきたかったけれど、
風早の言葉を思い出し溶けてもいいように大きなお椀をもってきて
その中にミスタースノウマンをお招きした。

楽しそうにそれを眺めているうちに部屋の暖かさに誘われるように爽子はうたた寝してしまった。

ふっと目を覚ますと せっかくの雪だるまがもう半分ほど融けかかっていた。
残念だけれど、仕方ないなと爽子はミスタースノウマンに別れをつげようとした。
彼をしげしげとみつめたそのときに、彼がおなかになにか抱え込んでいるのに気がついた。
二重のビニール袋の中にさらにかわいい桃色の紙で包まれた何かがでてきた。
それは小さな袋に入った赤いハート型のキャンディだった。
桃色の包み紙に書かれた言葉を読んで爽子はきょとんとしたのちに、くすくすと笑いだした。
その紙にはこう書いてあったのだ。

「黒沼のがんこもの!来年は二年分のプレゼントだから覚悟しとくように!」
(終わり)


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