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「君に届け 短編」
カプ注意(風爽以外、混在)君に届け 短編


十六夜 ~くるみ~(君に届け 短編)健人とくるみ(※カプではないです)

2009.11.13  *Edit 

十六夜1十六夜2の続き
 健人とくるみ 

12月号風爽新婚祭のまっただなかなのに なぜか健人とくるみw

----1-----
「なんでしなかったのよ」
爽子と風早のそばからそっと立ち去ろうとして少し歩いたところで
三浦はそう苛立ったように声をぶつけられた。
甘いミルクケーキみたいな声のその主は
愛らしい顔に似合わぬ酷い言葉を口にした後は唇をぎゅっと引き結んでいた。

そして作り付けのベンチに腰掛け、
腕をくんで三浦の方を見ようともせずにひたと視線を地面に向けていた。


「…くるみ。」
「アンタに呼び捨てにされる覚えなんかないわ。」

ふいっと横を向いた肩がなぜだか泣いているように見えて三浦は言葉を飲み込んだ。
少しの沈黙の後三浦は仕方なさそうに笑った。

「だって仕方ないじゃん。俺は貞子ちゃんの先生なんだから。」

くるみはますます眉間にしわを寄せきゅっと唇を噛んだ。

「ばかじゃないの。あんたも」

三浦は困ったように少し笑ってくるみのそばに腰掛けた。

「あんたも、って他には誰がバカなんだよ。」

くるみはようやくちらりと三浦に眼を向けたがすぐにまたまっすぐに地面を睨んだ。
夏の夜のひんやりとした風がさわりと吹いた。

「…すればよかったのに。頬なんて生ぬるいこと言わずに、
あのバカ女にキスのひとつでもかましてやればよかったのよ。風早の目の前で。」

「お、おいおい、別に俺はあの二人を壊したい訳じゃ」

とそこまでいいかけてくるみが風早のことを想っていたことを思い出した。

「くるみー、そりゃひどいんじゃない?いくら風早が好きだったからって。」
「だった、じゃないわよ!」

思わぬ語気の強さに三浦ははきかけた息を飲み込んだ。

「…ずっと好きで、いやな子にだってなって…すぐ「だった」になんてできないわよ」

三浦は自分の線香花火みたいな淡い儚い想いとは違うくるみの激しい想いに目を瞠った。
少し黙ってその思い詰めた横顔を見ていた三浦はくるみに伺うように言った。

「くるみ、よけーなことすんなっていったじゃん。
俺が貞子ちゃんとっちゃえばくるみ満足するの?」

くるみは三浦にむきなおるとかっと目を見開いて鋭く言った。

「バカじゃないの!?そんなことしたら風早が悲しむでしょ!?」

三浦はあっけにとられたあとくすくすっと笑った。

「矛盾してんなー」

くるみはしばらく三浦を睨んだあとまた前に視線を戻した。
そして力なく言った。

「…仕方ないじゃん。風早、女を見る目ないんだもん。」

「…あると思うけど」

「あんたも見る目ないのね。
あんな子好きになったって苦労するだけじゃん。」

好きと呼ぶには淡すぎて、でも捨ててしまうには綺麗すぎる
胸の小さな光を否定された気がして
三浦も少しむっとして言い返そうとした。
三浦のそんな様子に気がつかず独り言のようにくるみは言った。

「あんな子…バカで鈍感でお人好しで…だいっきらい…。」
「ーそっか。」
「あんただって風早がきらいでしょ?好きな子とってったんだから。」

三浦は少し笑った。

「んー、俺は風早嫌いじゃないからな。」

あの子が風早を好きじゃなければ、
そして風早があの子を好きじゃなければ
きっとあんな綺麗なもんがあるなんて気づかなかった。

「…なによ、ばっかみたい。
…どいつもこいつも偽善者ぶっちゃって。」

そう呟くくるみの顔がさっきより穏やかに見えて
三浦は思わず呟くように言った。

「あのさ、くるみ、ほんとは貞子ちゃんのこと嫌いじゃないでしょ。」

くるみはかっと頬を染めるとまた三浦を強く睨んだ。

「嫌いに決まってるでしょ!?風早が好きになる女なんて大嫌い。
あんな子…あんなバカな偽善者…絶対ひとに食い物にされるよ。
利用されていらなくなったら捨てられるよ。
そんな子好きになったら、風早が苦労するだけじゃん…。」

確か一理あるなと三浦は何となく感心する。

あの真正面からぶつかるしかできない不器用な子は
これからも傷つきながら生きてくんだろう。

「まあそのバカさを好きになったのかもしれないけどね。」

思わず口に出た心の声にくるみは一瞥をくれたあとまた独り言のように呟いた。

「…だから女を見る目がないって言うのよ。」

三浦はくるみに習って同じように正面をみつめた。
やがてぽつんとくるみが言った。

「ちょっと前に噂、流れたでしょ。」
「噂?」
「あの子が、風早も千鶴ちゃんもあやねちゃんも利用してるって。
なのに陰でひどい悪口言ってるって。」
「あーなんかあったね。」

あの子も誤解されやすいと言うか誤解をまとって生きてるというか。

「あれ、流したの…私だよ。」
「ーえっ!?」
三浦が驚いてくるみをみつめるとくるみは正面をみつめたまま言った。
「だって、目障りだったんだもん。風早から離れてほしかったんだもん。」

「…うっわそれはちょっと、ひでーよ。
あれだろ?千鶴がネンショー入ってたとか、
あやねが援交のもとじめだとか、
それを操るのが貞子ちゃんだとか。」

「ーそういうのは、風早好きの女の子の間で勝手におおきくなってったのよ。
私は、ただあの子は風早も、千鶴ちゃんも、あやねちゃんも友達なんて思ってない、
陰でこんなにひどい悪口言ってる、利用しようと仲いい振りしてるだけ。
そう噂流したの。…友達っぽく心配してる振りしてね。
もともと風早のまわりうろちょろしてるあの子を嫌ってた彼女たちは嬉しそうにその噂に飛びついてた。
…ばかな子たち。」

くるみの衝撃の告白に三浦は困惑しながら言葉を紡いだ。

「女ってこえー…。てか、それでもちょっとひどくない?」

友達いなさそうなあの子がそんな噂流されたらずっとひとりぼっちになりかねない。
しかも酷い人間だってレッテルのおまけつきで。

「そーよ。ひどいのよ。…ひどい子になってもいいって思ったんだもの。」

くるみは一度空を見上げるともう一度地面をみつめた。

「ひどい子になっても…風早さえ手に入ればいいって
…他に何もいらないって、思ったんだもん…。」

三浦は言葉をなくしてくるみをみつめた。


くるみが風早を想うのはくるみの勝手な都合だ。
爽子や、千鶴やあやねがその為に負荷をかけられていいわけがない。

くるみの行為は自分の負債を他人に背負わせるような卑劣な行為だ。

「ちょっと、引くなーそれ…。」

思わず呟くとやっとくるみは三浦に目をむけてそしてにやっと笑った。

「それが普通。神様じゃあるまいしさ、右頬を打たれたらたたき返すっつーの。」

くるみはまた前をみつめた。

「なのにさ、あのバカ…泣くのよ。…誤解、されたらかなしいから、ちゃんと話せとか…バカじゃないの。」

くるみは子供のように膝を抱えた。

「…ちゃんと、嫌わせろってのよ。
ずるいんだよあの子…。
風早に言いつけて、笑ってるような子なら…全力で奪ってやったのに。」

三浦は先ほどとは違う意味で沈黙した。

くるみのしたことは確かに酷い、卑劣な行為だ。

でもその必死な一途さはいじらしい。

まるで届かぬ月を乞う子供のように。

三浦の脳裏を線香花火に照らされていた
白い横顔がよぎった。

三浦は苦く笑った。

「そうだよな、貞子ちゃんはずるい。それに酷いと思うよ。」
意外そうにくるみは三浦に目を向けた。

「そういう時は ちゃんと敵になってくれないとね。」

剣を向けられればなぎはらえるのに
手を延べられたらとまどうしかできない。

あのふたりはだからずるい。

いっそ風早がすごくやなやつだったら良かったのに。

「どういうつもり?」
いぶかしげにくるみは三浦に目を向けた。

「んー、ほら俺、基本可愛い子の味方だから。
いいよ、貞子ちゃんの悪口きいたげる。酷いしずるいし、
敵になってもくれない陰気者の偽善者、でしょそれから?」

「ー陰気者とまで言ってないわよ。」
くるみの顔がほんのり和らいだ。

「まあ、普通に考えてくるみのが可愛いし、
風早は惜しいことしたよな。つか趣味悪いよね。あの貞子ちゃんだもん。」

くるみはくすりと苦笑した。

「自分の趣味も悪いっていってんじゃない。」

三浦はあははと笑った。

「否定しないよー。でも今日は俺くるみの味方だから。」

「なによ、なんも見返りないわよ?」

「可愛い女の子に見返りなんてもとめませーん。あ、でも俺が風早の悪口言えばちょうどいいのか。」

「そんなこと言ったら今度は反対側いくから。」

右手でひっぱたく動作を見せながらくるみは三浦を睨んだ。
しかしその瞳には微かな笑みが宿っていた。

三浦は少しだけ笑った。

月は手に入らないけどさ、くるみ。
一緒に月を見上げて泣くことはできるんだよ?

「なーくるみ。」
「なによ」
「風早よりもっといいの、みつけなよ。そんでいい恋しなよ。」

そしたらさ、俺のこの線香花火も消えるかもしれないじゃん。

「…なによそれ。ばっかみたい。…変な奴。」
「よし競争しようぜ。おれとくるみどっちが先にマジ恋ができるか。」
「アンタね、人の話聞いてる?」

三浦は聞いてるよーっと笑いながら言った。
くるみは少し怒ったような顔で
三浦を見ていたがやがて呆れたように笑った。
(fin)

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おひさでっす 

おひさです~(´ε` )

チャットでは何故かどんどん風がエロくすけべに 爽子も天然をとおりこして
ピュアホえろっ子になっていってしまいます。何故だw
ケントとくるみはお互いの傷をみせてしまった、戦友っぽい感じになると思います。

ケントは確かにKYで上から目線のお節介ですからねモテおなのかほんとにとは思いますw
でも高校生くらいなら爽子みたいな地味だけど滋味のある(性格がね。)性格より
ああいう口当たりだけいいタイプがもてるのかもなとリアルにも感じます。
でもそういうチャライのが爽子の価値ある本質に触れて心を動かされたっていうのが好きですね。
イルミネーションばかり評価して三等星の輝きを地味だと馬鹿にしてたけど 
ほんとうはそれが大きな宙で懸命に輝く本物の光だと知って 心動かされたみたいな。

ではまたチャットでも遊んでください(´∀`*)ウフフ
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