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「君に届け 短編」
カプ注意(風爽以外、混在)君に届け 短編


十六夜2 (君に届け 短編)※風爽←健人

2009.11.09  *Edit 

----2----


花火大会もピークをすぎて 各自片付けに入り 終った人から三々五々と帰る人が出始めた頃。
三浦はふっと風早と爽子の姿が見えないのに気が付いた。

あーあ。まあ二人きりになりたいのはわかるけど、
風早大好きジョーとかが探しに行くかもしれないんだからさ。
あんなKYに見つかったら大変だぞ?

三浦はくすっと笑うと風早と爽子の姿を探しに歩き出した。


少し歩いたところで草むらに少し隠れるように爽子の影が見えた。
淡いパステルブルーのワンピースに爽子であることを確信すると三浦は近付いて声をかけようとした。
しかし、その瞬間息をのんでそれを止めた。

爽子の側にはごろりと寝転がって眼を閉じている風早が見えた。
どうやら眠っているらしく爽子は静かに微笑みながらその寝顔をみつめていた。
愛しそうなその視線は風早が爽子に向けるまなざしと同じで、そこに満ちる澄んだ優しい空気を生み出していた。
そして三浦はもう一度息をきゅっと飲んだ。
爽子がすーすーと寝ている風早の頬にそっと唇を落したのだ。
絹のように優しい口付け。
ほんのかすめるだけの一瞬の口付けなのに、
まなざしも、表情も、すべてが愛しさを囁いていた。

今まで女の子とは何人も付き合った。
ファーストキスなんて忘れてしまうほど前に済ませてる。
けど。
…俺はあんな風に宝物みたいにキスしたこともされたこともない


三浦はぎゅっと己の胸を掴んだ。
風早の頬にキスした後、爽子は急に自分の行動が恥ずかしくなったのか頬を押さえてそっとその場を立った。
そして少し歩いて木陰ですう、はあと呼吸を整えていた。

三浦はほとんど無意識に爽子のほうへ歩いていった。

「みーちゃった」
三浦の声に爽子は弾かれたように振り向いた。
「しっ師匠…!?どうしてここに?」
「だって風早も貞子ちゃんも見回したらいなかったからさ。探しにきたんだよ。」
「お、お手数をおかけして」
爽子のそんな言葉はさらりと流して三浦は言った。
「風早にいっちゃおー 貞子ちゃんがおまえの寝込み襲ってたって」
爽子は白磁の頬を瞬時に染め、それは月明かりだけでも十分わかるほどだった。
「襲ってたなんてそんな」
爽子は無意味に両手をわたわたとあげたりさげたりしながら慌てた。
「…内緒にしてほしい?」
爽子はこくこく頷いた。
「は、恥ずかしいのでなにとぞ」
「…おんなじことしてくれたら黙っててあげてもいいよ」
「ーはい?」
「ほっぺにちゅってしてくれたら黙っててあげる。」
「ええええええ!?」
爽子はますます真っ赤になり口をパクパクさせた。

あ、可愛い。
でもその可愛さは俺の、じゃない。

「…風早と反対側がいいな。」
三浦は真顔で爽子に迫った。
爽子の三浦を見上げる目に不安が交じる。
しかし真っ赤になりながらもきゅっと唇をかむと
爽子はたどたどと言葉を搾り出した。
「あ、あの、師匠にはとてもお世話になったし、
そのお礼という意味ではありなのかもしれないけれど、
でもそれはできなくて…」
言葉を一生懸命紡ごうとする爽子に三浦はぷっと吹きだした。
「やだなー貞子ちゃん本気にしちゃった?」
「…え?」
「だめだよ貞子ちゃんまじめにとっちゃ。
こういうのは適当にあしらうのがいい女の条件だよ。
あと、無防備に隙見せすぎ。
男なんてバカだから隙みせたら…勘違い、したくなるからね。」
「レッレクチャー…!そっか師匠はそれを教えるために!」

飲み込まれた苦い笑みに気づかずに爽子は感心をあらわにした。
爽子の瞳の中の不安はすっかり消え、無邪気な信頼が再度宿っていた。

-だって無理矢理したって
あのたからものにするみたいな柔らかい口づけはもらえない-
三浦は爽子の全き信頼から逃げるように眼を逸らした。

「…適当なとこで風早おこしなよ?二人で消えたってみんなが探し始める前にさ。」
「う、うん。あの、師匠。」
「ん?」
林檎の花みたいなほほえみが爽子の口元から柔らかく広がった。
「ありがとう」

三浦ははもう一度唇を噛んだ。

「あー、俺行かなくちゃ。」

どうしてもっと早くに出会えなかったのかと問うてしまうまえに、行かなくちゃ。
三浦は苦い笑みをそっと押し殺した。

「風早が起きる前に消えるよ。
意外とあいつやきもちやきだから。あいつ貞子ちゃん大好きだしね」
爽子は真っ赤になって もごもごと 
そんな、おこがましいなどと言っていたが、
やがてほんの少しだけ笑みをこぼした。
そして そうなら、嬉しいなあと独り言のように呟いた。
「じゃ、ね貞子ちゃん。」
「あっ うん、師匠」
「師匠か…。うん。そうだね、おれは貞子ちゃんの師匠だからねー弟子にはきちんと教えないと、だからね。」
三浦はくるっと爽子に背を向けばいばい、と手を振った。

さっき彼女の白い横顔を照らし出していた線香花火は
清潔で儚い光を散らして闇に静かに消えた。

胸の奥のこの淡い光も同じように静かに消えればいい。
三浦は心の中でそっとそう呟いた。
(fin)

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