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「君に届け 短編」
18禁:君に届け 短編 (現在~高校卒業前まで)


黒猫のタンゴ2(君に届け 短編)

2009.05.27  *Edit 

まだエロなし




----2----

爽子の魔女と可愛い下僕達カフェは
大好評で目の回る忙しさだった。
特に陰気な外見の印象が薄らいだからか、
キャラにみんな慣れてしまったからなのか
爽子の相談ブースは列ができるほどの人気ぶりだった。
少し客足が途切れた頃を見計らって
風早と爽子は休憩を取り
ふたりで高校最後の学園祭をまわる事にした。

「はいこれひっかけて」
風早は爽子の背にぱさりと自分の制服のジャケットをかけた。
「え?寒くないよ?」
「…うん、でもひっかけてて。-他の奴にみられんのやだ。」
その言葉に爽子は戸惑いながらも風早の言葉に従った。
時折風早は子供のように独占欲を露わにする。
風早と付き合うようになって
彼と「そういう」関係になってはいた。
最初は恥ずかしさや、まだ学生なのにという罪悪感や倫理観が先にたち、
大好きな人とはいえ強い抵抗感がある行為だった。
しかし求める気持ちと内なる規範との折り合いを少しずつつけ
ゆっくりとその扉を開いていった。
風早も辛抱強くそのペースにあわせてくれた。
愛する人と溶け合う陶酔感や幸福感は爽子の世界を豊かに輝かせた。
自覚はできないが爽子の親友達からは
妙にエロくなったなどとからかわれることもあった。

しかし爽子は自分などに注目する男性もいないだろうと
いたって呑気に考えていた。
爽子にとっては風早が好きになってくれたことは「僥倖」だった。
「風早君の趣味が特殊でよかったな」と
その幸運に日々感謝してるくらいだ。
だから時折風早の見せる激しい独占欲を爽子は不思議に思う。

…風早君は自分がどれくらい
人の心をつかんでしまうのかわかってるのかな。
風早君であれなら私なんかヤキモチで
こんがり焦げ焦げにならなきゃおかしいよ。

爽子はトーストみたいに
焦がされた自分を想像してくすっと笑った。
「ん?どうしたの?なんか面白いもんでもあった?」
ふふっと笑って爽子はなんでもないよ、と答えた。
風早は不思議な顔をしながらも、
爽子が笑ってるので嬉しくなりにこっと笑った。

しばらく学園祭をふたりで仲良くまわり、
風早ガールズの嫉妬の視線やら
(風早の爽子バカが公認となった後はほぼ絶滅状態だったのだが、
それでも根強く残っている子もいた)
友達の冷やかしやらピンの心霊相談やらをかいくぐり
二人は一息つくことにした。
「お腹、すかない?あっちでなんか買って食べようよ。
何か食べたいもんある?」
いつも風早は最初に爽子に意向を確かめてくれる。
息をするように自然に。
そんな優しさがやっぱり好きだなあと思いながら爽子は考えた。
その時ソースと焼き海苔のいい匂いがして、
爽子のお腹がくぅっと可愛らしい音をたてた。

恥ずかしさに頬を赤らめた爽子に風早は思わず噴き出した。
拗ねたように彼を見ると
風早はあははっと笑いながらごめんごめんと謝った。
「あーでもいい匂いだなー。…よし、焼きそばに決定!…いい?」
爽子はこくんと頷いた。
「じゃあ、買ってくるからここで待ってて。」
「あ、じゃあ私飲み物買ってくるよ。何がいい?」
「んっと、コーヒーで。冷たいの。」
ふたりは待ち合わせの場所を決め、
爽子は飲み物を買いにその場を離れ
風早は焼きそばを二人分購入すべく、列に並んだ。

その時風早の耳に「~貞子」という単語が飛び込んできて、
思わずそちらに耳を傾けた。
どうやら一年生の男子が爽子について話をしているようだった。
また心無い噂で愛しい人が傷つくような事があってはならないと
風早は耳に神経を集中した。

二人が付き合い始めた当初は爽子の価値を全く知らない周囲と、
自分に多少はあった異性人気の所為でそれはそれはかまびすしかった。

特に爽子は矢面に立たされる事になり、
それに対して風早はいつも胸を痛めてきた。
だから、自分が、自分こそが爽子に夢中な事を
あえて周囲に知らせてきたし、
もし爽子に飛んでくる矢を眼にしたなら
その矢を放った人間をその矢ごと叩き落してきた。
世界で一番大切な恋人を傷つけるものに
容赦するつもりなど欠片もなかった。
そんなことを地道に繰り返してるうちに
爽子への風当たりも少しずつ和らいでいった。
もちろん爽子が吹き付ける風に凛として耐えてくれた事が
一番大きかったと風早は思っている。
だから爽子の柔らかな寛恕と芯の強さに
泣きたいほど感謝していた。
吹き付ける風の痛さに爽子が
別れを選んでもおかしくはなかったのだから。

もし心無い噂を無神経に垂れ流そうとしているのなら
釘を刺してやらねば、と風早は身構えたのだが、
その内容を聞いて別の意味で呆然と焦る羽目になった。

「お前さ、【貞子の黒魔術カフェ】行った?
俺ちょー相談した。すげーどーでもイイコト作ってさ。」
「あ、俺も俺も。だってやっぱアレはいっとかなきゃだろ」
「そーそ。やっぱ【貞子先輩】見たいよな!」
「見た見た!すげー注文した!…貞子先輩かー。
思ったより全然可愛くね?笑った顔とか。
あと格好エロかった。足がやべーよあれ。」
「そうそう、恐ろしい妖力があるとか聞いてたけど
ふつーだよなあ。俺わりと好み。
細くてちっこくて、謎っぽいって感じが何かいいよな。
ねらっちゃおっかなー」
「お前何言ってんだよー」
こんな会話に続いて二人の一年生男子の笑い声が続いた。
なんて声もそこそこに聞き風早は急いで二人分の
焼きそばを買うと待ち合わせ場所に戻った。
爽子は既にコーヒーと自分用の紅茶を買って待っていた。
「ごめん、待たせた!」
大丈夫だよーと呑気に答える爽子がふっと表情を変えた。
「…何かあったの?」
「え?何で?別になんも、ないけど?
それよりどっかでコレ食べようよ。」
風早のいつもの笑顔にほっとした顔を見せて
爽子もそれ以上は追求せずににこっと頷いた。
(3へ続く)
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